まき網漁業について

 

操業方法

まき網漁業は、これまで網船1隻、探索船1~2隻、運搬船1~3隻の合計2~5隻程度で船団(この1船団を1ヶ統と呼んでいます)を構成して操業してきました。探索船は魚群を探索し、網船は探索船が発見した魚群を捕獲し、運搬船は網船が捕獲した漁獲物を氷蔵して漁港に水揚げする体制で操業しています。

近年、本海区では、安全性・労働環境の向上、船団隻数の縮減による生産コストの削減、資源管理に対応した改革型漁船の導入を図ることにより、現在では網船(運搬機能付きも含む)1隻、運搬船1~2隻の合計2~3隻で1ヶ統の船団を構成して操業しています。(1そうまき網)

また、1そうまき網のほかに、網船2隻、探索船又は運搬船3~5隻を構成して操業する2そうまき網船もあります。

網船(本船)

まき網の網船(本船)です。漁網やレッコボートを積んでいます。

この船で魚を獲ります。船には20名程度の乗組員が乗り、ILO条約に基づく設備基準を満たした居住空間を確保しているため、従来船より広くなっています。

レッコ船(レッコボード)

横からの写真です。後ろにレッコボートがあります。レッコボートに網の端をつなぎ、もう一方の端は網船とつながっているので両船で円を描くように魚群を囲い、魚が逃げないように網の底を閉じて袋状にして魚を獲ります。

出港1

漁場へ向けて出港していきます。

出港2

八戸港から漁場へ向けて各船が出港しています。

投網

投網をしているところです。円になっているのが網で、魚群を囲んでいます。

真ん中にいる船が網船、左上にいる船はレッコボート又は探索船です。網船が傾かないように支えています。右にいる船は運搬船で、魚を積んで港に水揚げする船です。

揚網

網船が魚群を巻いた後、網を締め込んで余分になった網を回収しながら、魚を狭いスペースに追い込み、運搬船に魚を積む準備をしています。(右が網船、左は運搬船です。)黄色いのは浮子です。浮子に囲まれたところにたくさんの魚がいます。

魚の積み込み①

運搬船へ魚群を積み込んでいます。

魚の積み込み②

運搬船の魚艙へ魚を入れています。魚艙の中にはあらかじめ水氷が入っており魚の鮮度を保ちます。

港での水揚げ

運搬船からトラックへ積み込むところです。

トラックへの積み込み

生鮮、加工、冷凍向けとして出荷されます。

船内凍結

冷凍設備のある船では、漁獲してすぐの新鮮なサバを船上で冷凍して刺身で扱えるサバを作っています。特にサバの旬である秋に漁獲される大型のサバは、脂ものっており八戸前沖サバとして高い評価を受けています。

 

操業状況

北部太平洋海区は、大中型まき網漁業の10の操業海区(他に東海黄海海区や日本海海区等がある)の一つで、操業船団数は令和6年時点で約40船団です。

本海区の1そうまき網船は、かつお・まぐろを操業主体とする船団といわし・さばを操業主体とする船団があり、かつお・まぐろを操業主体とする船団の操業パターンは、1~2月は銚子沖から常磐沖のいわし・さば漁、4~9月は銚子沖から三陸沖のかつお、まぐろ漁、10~12月は八戸沖から三陸沖、銚子沖のいわし・さば漁を行っており、いわし・さばを操業主体とする船団は、1~5月頃は銚子沖から常磐沖、6~11月頃は三陸沖から八戸沖、12月は銚子沖から常磐沖の周年いわし・さば漁に従事しています。

2そうまき網船は、青森県沖、千葉・茨城県沖で操業しており、主にいわし・さばを操業しています。

 

水揚状況

※2023年情報

本海区の水揚量、水揚額は、いわし、さば、かつお、まぐろ等25万トン、337億円(令和5年)です。主な水揚港は、八戸、大船渡、気仙沼、石巻、塩釜、小名浜、大津、波崎、銚子であり、地域経済の振興に重要な基幹漁業と位置付けられています。

また、本海区は、黒潮海流と親潮海流が交錯し、世界でも有数な漁場が形成されることから、いわし、さば、かつお、まぐろを中心にした水揚げにより、全国の大中型まき網漁業(大臣許可)の水揚量の概ね30~50%を占めています。

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