大中型まき網漁業の※1北部太平洋海区の漁業許可を有する漁業者で組織する県旋網漁業協同組合(青森県、宮城県、福島県、茨城県、千葉県)5会員が、出資して設立した水産業協同組合法に基づく漁連(業種別の法人組織)です。
※1北部太平洋海区千葉県南房総市野島埼灯台正南の線と東経179度59分43秒の線との両線間における海域(オホーツク海及び日本海の海域を除く。)
本会は、青森県から千葉県沖の北部太平洋海区で、サバ類、マイワシ、アジ、カツオマグロ類等を対象とした操業をしている大中型まき網漁業者を組合員とする漁業協同組合を会員とする「連合会」です。親潮と黒潮が流れる三陸沖漁場は世界三大漁場の一つで漁獲量が多い海域であり、昭和40年代からサバ類の豊漁が続き、サバ類の衰退とともに昭和50年代からはマイワシの豊漁時代が続きました。その後平成に入りマイワシが減少しはじめ、サバ類、マイワシの低調な時期が続きましたが、平成15年に策定されたマサバ資源回復計画や資源管理計画等による資源管理をTAC制度による資源管理とともに実施してきました。このような取組もあって、平成時代の後半以降、サバ類、マイワシの漁獲量は高い水準となりました。
このような状況の中、日本の太平洋公海域では中国や韓国、台湾等の漁船が操業し、サバ類、マイワシ等の資源を利用していますが、近年ではIUU船を含む中国船が公海上で操業するようになり、早急に国際的な資源管理のルールを作り、将来にわたり水産資源を持続的に利用できるよう国際社会との協調と資源管理を進めていく必要があります。
また、令和2年の改正漁業法の施行に伴い、MSYベースでのTAC管理やIQ(個別割当)制度も導入されており、こうした制度の下に資源の持続的利用と漁業の成長産業化に積極的に取組んでいく必要があります。
今後とも水産資源を有効に管理しながら国際競争力を高め、日本の水産業に貢献できるよう努めて参りますので、関係各位のご支援ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
大中型まき網漁業の※1北部太平洋海区の漁業許可を有する漁業者で組織する県旋網漁業協同組合(青森県、宮城県、福島県、茨城県、千葉県)5会員が、出資して設立した水産業協同組合法に基づく漁連(業種別の法人組織)です。
※1北部太平洋海区千葉県南房総市野島埼灯台正南の線と東経179度59分43秒の線との両線間における海域(オホーツク海及び日本海の海域を除く。)
会員及び所属員に対する指導事業を中心に活動し、その主な事業は次の通りです。
北部太平洋まき網漁業協同組合連合会(以下連合会)の前身である北部太平洋海区まき網漁業生産調整組合(以下調整組合)は、昭和36年制定の漁業生産調整組合法に基づく漁業生産組合として、同年12月19日設立しました。昭和36年から昭和40年代後半にかけては、我が国水産業は、経済の高度成長とともに、安価な燃油供給、魚価の上昇を背景に沿岸から沖合へ、沖合から遠洋へと漁場を拡大しつつ順調の発展を遂げる中、昭和50年代に入り、二百海里時代の定着、燃油価格の高騰、水産需要の低迷等により漁業情勢が悪化、また、水産物輸入の増加、労働力不足、近海資源状態の悪化等により情勢はさらに厳しいものになりました。
北部太平洋海区において、戦後まき網漁業の操業区域に大海区制が導入され、大臣許可制が施行されたことに伴い、まき網漁業協会やまき網漁業船頭会が活動を展開、調整組合が中核となり、その後設立の連合会と連携して、生産調整事業等を通じて組合員の団結を図り、まき網漁業の経営発展に傾注しました。その中で、北部まき網漁業については、昭和40年代後半から60年代初めにかけて、主要漁獲物のイワシ、サバ資源の増加で順調に水揚を伸ばしましたが、その後はイワシ、サバ資源の減少により水揚減を余儀なくされました。
北部太平洋海区は、青森県から千葉県に至る長い海岸線を有し、その沿岸・沖合水域のおけるまき網漁業と他種漁業との操業調整、特に、八戸沖におけるイカ釣り・サバ釣りや利根川尻サバ漁場の調整において操業協定を締結しました。
平成に入り、水揚減等から平成4年度から平成7年度までの資源管理型漁業構造再編緊急対策事業に3ケ年及び延長2ケ年で参加、不要漁船処理対策事業を実施、更に平成8年度から平成11年度までの4ケ年の基幹漁業総合再編推進事業、平成12・13年度基幹漁業緊急再編推進事業、平成14年度から16年度までの資源回復推進等再編整備事業に改められ、減船を実施しました。一方、単船操業では、昭和63年度から北部まき網株式会社保有の北勝丸が海洋水産資源開発センターの試験操業船として操業しました。
国際的には、国連海洋法条約が平成8年7月に批准、発効され200海里排他的経済水域が設定され、併せて平成9年度に漁獲可能量制度(TAC制度)が導入され、マイワシ・マアジ・サバ類等が魚種指定、平成10年にはスルメイカが追加、連合会内でTAC管理委員会を開催、漁獲量を管理しています。国は、平成14年に水産基本法を制定、水産物の安定供給の確保、水産業の健全な発展が示され、平成15年に水産庁は「マサバ太平洋系群の資源回復計画」を公表、休魚と減船でマサバ資源管理に取組みました。平成19年3月に「新たな水産基本計画」が策定され、漁船漁業構造改革総合対策事業の実施で、平成20年10月に「もうかる漁業創設支援事業」として実証事業を開始しました。IQ管理は、水産庁から平成26年10月から平成27年6月までサバ類IQ管理(個別割当)を要請され5か統を対象に試験的に実施し、平成27年度から全船でIQ管理を実施しています。
また、平成8年5月には北太平洋のマグロ類に関する暫定的科学委員会が設立され、マグロ資源の持続的有効利用が議論されました。平成11年2月開催の「中西部太平洋高度回遊性魚種資源保存管理に関する多国間ハイレベル会合(MHLC)」で管理機関の設置につき合意、また、MHLCにおける管理措置確保の関連で公海水域漁船に対して衛星通信機器(通称VMS)搭載が義務化されました。平成17年7月に我が国は「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)」に加盟、北緯20度以北の資源保存管理措置を協議する北小委員会が設置され、平成18年9月東京で北小委員会が開催され、資源評価、資源管理措置の検討及びデータの整備等の活動計画が策定されました。
平成20年9月の北小委員会では、クロマグロについて漁獲努力量の増大防止措置並びに漁獲データの収集改善措置が合意され、平成25年12月WCPFC年次会合で太平洋クロマグロの漁獲規制が強化され、未成魚の漁獲上限が定められて、2002年?2004年平均漁獲量から15%削減することが採択され、平成26年9月北小員会では、親魚資源量を10年間で歴史的中間値の約4.3万トンまで回復させること、太平洋クロマグロ30kg未満の小型魚の漁獲量を2002?2004年平均漁獲量比50%削減することが合意されました。
なお、平成23年3月11日発生の東日本大震災並びに福島第一原発事故の放射能汚染による陸上から海上までの諸々の影響は、人智を超えて計り難く全く先行きが見えない状況でした。水揚状況は、震災津波による三陸主要水揚港の損害、並びに原発事故による操業海域の規制等により、サバ・カツオの水揚量が大幅に減少しました。連合会では、復興のため北部太平洋大中型まき網地域漁業復興プロジェクト漁業復興計画を策定、「がんばる漁業復興支援事業」で改革計画を策定し実施しています。
「もうかる漁業創設支援事業」や「がんばる漁業復興支援事業」の実施を通じて操業方式等の改革に取り組んだ結果、網船の大型化による安全性・居住性の改善と船団のスリム化を通じた経営コストの削減、漁獲能力を拡大させない操業との両立が進められたことにより水揚げの平準化と経営の安定が図られつつあります。